吉田修一の小説を映画化した名作の呼び声高い「悪人」を観ました。
一言で言うなら、大ドラマですね。
祖父母の面倒をみて暮らす土木作業員と、紳士服店に勤めてアパートと職場を往復するだけの中年女が刹那の恋に惑う話ですが、土木作業員は出会い系サイトで知り合った若い女を殺害した過去を持っています。
中年女はそれを知りながら、ひたすら逃避行を求めます。
その逃避は、警察からのそれだけではありません。
中年女は、おそらく退屈しきった日常から逃れたかったのでしょうね。
妻夫木聡演じる犯人の祖母役の樹木希林が良い味をだしています。
この映画、評価は高いようですが、私には退屈でした。
当たり前のことをさも重大な発見であるかのように描いているからです。
人間が孤独なのは誰でもそうですし、日常が退屈なのも当たり前です。
それをおのれ一人が背負った業であるかのように思うのは傲慢というものです。
感動の押し売りのようで、迫ってくるものがありませんでした。
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東宝 |
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吉田 修一 | |
朝日新聞社 |