先ごろ投身自殺した藤圭子の元夫が、故人が生前、極めて情緒不安定であったことを明かしました。
さっきまで機嫌よくおしゃべりしていたかと思うと突然攻撃的になり、理不尽な怒りを爆発させることがたびたびあり、元夫は精神科を受診するよう何度も勧めたそうですが、それが故人の怒りを買い、ついに精神科にかかることなく、自殺に至ったようです。
精神科にかかっていない以上、精神障害を発症していたのかどうか、また、発症していたとすれば病名は何だったのか、今となってはわかりません。
しかし、双極性障害で躁状態に陥って攻撃的になり、同居人を傷つけてしまった過去を持つ私からすれば、医者に診てもらって欲しかったですねぇ。
精神病薬と言っても、今は副作用も軽く、よく効く薬がたくさんあります。
処方された薬が合わなくても、合う薬が見つかるまで何度でも試せば良いのです。
私も最初、躁状態の発現を抑える薬としてデパケンが処方されましたが、肝臓の数値が悪化したため、リーマスに変えたところ、肝臓も良くなり、もちろん躁状態もなくなり、もう5年くらい躁状態はみられません。
精神科の敷居は今でも一般の人から見ると高いようですが、行ってみれば普通の病院です。
ぎゃあぎゃあ騒いでいるやつもいませんし、挙動不審な人もいません。
そういう重症患者の場合、個人クリニックの精神科医は入院施設のある大きな精神病院を紹介してしまいますので、結果的に個人クリニックには、現代病とも言うべき職場ストレスによる適応障害やうつ病、比較的軽い統合失調症、神経症などの患者が大半で、それらは、誰でもいつ罹患してもおかしくない、一般的な病気です。
わが国でも、欧米のように、ちょっと気分が沈むくらいの症状でも、気合が足りないなんて考えず、気楽に精神科や心療内科にかかるのが当たり前、という風潮になれば、不幸な出来事は減るんじゃないかと思えてなりません。
精神科の診察に私とともに何度も同席している同居人は、数ヶ月前から、更年期が近付いているせいか気持ちが沈む、と言って私と同じ精神科クリニックを受診し、ごくわずかの抗うつ薬を処方され、すっかり元気になりました。
保険診療のため、一応、病名が付いているようですが、なんだか聞いたことがない病名で、忘れてしまいました。
精神障害者の自助グループに参加し、どっぷりとその世界に浸かって10年間を過ごした私が知らないくらいですから、かなり無理矢理付けた病名なんじゃないかと思います。
ただし、精神科や心療内科にかかっていることを告知すると、保険屋が逃げて行きます。
県民共済や国民共済に乗り換えるのが無難でしょう。