園子温監督の問題作にして娯楽作、4時間ちかい超大作、「愛のむきだし」を昨夜鑑賞しました。
キイ・ワードは、カトリック、盗撮、カルト教団、変態、暴力、片恋、マリア様、勃起といったところでしょうか。
アンダー・グラウンドの要素をこれでもかと詰め込み、しかもベースは純愛映画という、リアリティ無視の作り物めいたはりぼての世界が繰り広げられ、私はただうっとりと画面を見つめました。
現在AAAで活躍中の美少年、西島隆弘を主演に、滑稽で神聖な悲喜劇が展開されます。
敬虔なカトリックの両親のもとで明るく育ったユウ。
ユウが小学生の頃母親が急死、父親はそれを機に神父になります。
ユウが高校生の頃、父親は神父でありながら女を囲いますが、すぐに捨てられます。
父親は人が変わったようにユウに厳しくあたり、毎日その日の罪を懺悔するよう責められます。
ユウは罪を作るため、不良グループに入り、いつしか女の股間を狙う盗撮のカリスマとなっていきます。
しかしユウに盗撮の喜びはなく、その行為は父親に懺悔するための罪を作り出すためのものでしかありません。
そんな中、ユウにとってのマリア様となる美少女、ヨーコと出会います。
ユウはストレートな求愛を続けますが、ヨーコは見向きもしません。
相手にされない一途な純愛ほど滑稽で神聖なものはありますまい。
映画はユウとヨーコの関係性を軸に展開。
このあたりから疾走感が失せ、やや残念な展開に。
ヨーコはキリスト教系のカルト教団に入信。
カルト教団の女幹部と同性愛めいた関係になりつつ、女幹部は美少年のユウに興味津々です。
ユウは過激な方法でカルト教団と対決することになりますが、結果はカルト教団と刺し違えることに。
カルト教団からヨーコは脱退しますが、同時にユウの精神は蝕まれていったのです。
そして二人の関係に変化が訪れます。
非常に長い作品ですが、長さを感じさせません。
様々な問題を提示しながら、それを娯楽作にまとめあげる力技は見事と言うほかなく、クエンティン・タランティーノを彷彿とさせます。
きっとタランティーノ同様、映画が好きでしょうがないんでしょうねぇ。
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