懇親会は思いのほか長引き、やっとホテルに戻ってきて、時計を見たら23時30分。
日頃こんなに夜更かしすることはなく、疲れました。
懇親会で、面白いことをほざく20代後半の女性がいました。
なんでも付き合う男、付き合う男、のきなみ変態で、長続きしないのだとか。
明るい酒で、笑顔を絶やさない彼女から、笑顔のままヘヴィな男女関係の話を聞かされ、まことに興味深いものでした。
どういうわけか、私は若いころから女性から恋愛相談を受けることが多く、久方ぶりにこのパターンかと、恐れ入った次第です。
そもそも私に異性の飲み友達が多いのは、かなり無理目な恋愛相談を黙って聞くことがその原因かと思われます。
かつては恋愛相談に乗っているうちに、必然的によからぬ仲になってしまうことも少なからずありました。
しかし、40代になった私は、そんな面倒なことはご免です。
そうはいっても目の前で涙を流さんばかりに語り続ける女性を前にして、聞かないわけにもいきません。
損な性分に生まれついてしまったものです。
女性の恋愛相談のみならず、管理職のおじさんから、「じつは誰にもはなしたことがないんだが」などという前置きの後、主に仕事の悩みを打ち明けられることもたびたびです。
私はカウンセラーじゃないんですがねぇ。
そういう負のエネルギーを受けてきたことも、精神障害発症の理由のような気がします。
私はかつて、そんな私の愚かさをブラック・ユーモアで描いた「聞き屋」という小説を書いたことがあります。
もしかしたら私の天職はカウンセラーみたいな仕事なのかもしれませんね。
本当は他人の悩みを聞くことなど大嫌いなのに。
しかしなかなか言えない悩みを共有することで、深い人間関係を築いてきたことも事実。
まぁ、言いたいやつがいれば、私は黙って聞くほかありません。