懐古

文学

 九段の昭和館をはじめとして、青梅の昭和レトロ商品博物館や映画では「ALWAYS 三丁目の夕日」やら「20世紀少年」やら、昭和を懐古する物が溢れるようになったのは、ここ5年ばかりのことでしょうか。
 平成の御世も23年目を迎え、長すぎる不景気の中、右肩上がりの経済成長を続けた頃に小中学生だった団塊の世代も定年を迎えて久しく、もはや昭和は懐古の対象でしかないのですね。

 しかし、今ノスタルジックに懐古する昭和は、いわば架空の過去。
  昭和という時代のイメージを道具に、人々が作り出した美しい嘘。 
 過ぎ去った時代を美化する感傷に過ぎません。

 「徒然草」22段に、

 何事も、古き世のみぞ慕はしき。今様は、無下にいやしくこそなりゆくめれ。

 とあります。
 鎌倉時代を生きた兼好法師も、自らが生きる時代をつまらないと考え、昔の文化風俗を懐古しているのですね。

 多分そういう意識は古今東西を問わず、多くの人が持つ感慨なのでしょうね。
 あと50年もすれば、平成23年の文化風俗、例えばスマート・フォンだとかRPGだとかが古くて懐かしいものになるんでしょうねぇ。
 
 いつの時代も、只今現在が時代の最先端。
 石器時代には、石斧こそが最先端のテクノロジーであり、それが現れた時、人々はすごい時代になったものだと驚き、喜んだことでしょう。
 産業革命以降は技術進歩のスピードが驚異的なまでに速くなり、今まさに進行中の情報革命にいたっては、日進月歩どころか、秒進分歩と言われるようになりました。

 そのスピードについていくことは、特に中高年にとってはストレスですが、ついていかなければ仕事にあぶれてしまいます。
 それは個人も組織も国家も同じこと。

 私たちは、昭和レトロの心地よい感傷に浸っている場合ではありません。
 ストレスであっても一秒一秒進む高度情報社会に適応し、それをリードする気概を持たなければ、日本沈没ということになってしまいます。
 むしろストレスと考えず、新しい情報ツールを習得することを楽しむようにしたらよろしいでしょう。

 

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