戦犯

社会・政治

 民主党代表選挙、喧しくなってきましたねぇ。
 有力候補の野田財務大臣、数年前に国会で「A級戦犯は戦争犯罪人ではない」と発言していたことが韓国などから非難されています。

 これ、ちょっとややこしいのですよねぇ。

 わが国は連合軍占領下において東京裁判を受入れたので、彼らは戦争犯罪人である、と考えるのは素直なことですが、サンフランシスコ講和条約を締結して独立を回復して間もなく、国会は全会一致でA・B・C級問わず、すべての戦犯を日本の国内法において無罪とし、名誉回復したわけです。

 そうすると国内的には戦争犯罪人ではなく、しかし東京裁判では有罪となっているので国際的には戦争犯罪人と見なされる、という面倒なことになっています。

 したがって野田財務大臣は国内的には戦争犯罪人ではない、と言ったと理解すれば間違いではないことになります。
 一方、毎年靖国神社を公式参拝し続けた小泉元総理は、A級戦犯を戦争犯罪人であると国会で答弁しています。
 こちらは国際的な見地を述べたものと思われます。

 私見では、公人である大臣が発言するときには、国際的なスタンダードに従って発言すべきであろうと考えます。
 それは戦犯とされて刑死した方のご遺族にとっては我慢ならないほど悔しいことであろうとは思います。

 しかし、わが国は、虚しい嘘だと分かっていても、東京裁判が不公正な復讐劇だったと知っていても、世界標準がそれを認めている以上、それを認めるふりくらいはしなければなりません。

 なぜなら、そのほうがわが国にとって得だからです。
  そう言わなければ、世界標準を外れた危険な国だと見なされてしまうからです。  

 私もA・B・C級戦犯の人々を犯罪者だと口に出すことは地団太踏むほど悔しいですが、それはおくびにも出さず、彼らは戦犯だ、と言わなければなりません。

 何が悪いと言って、大きな戦に敗れたことが、一番悪いのですから。
 

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