投票

社会・政治

 参議院選挙の日程が決まりましたね。
 民主党は代表交代で支持率が急速に上がっているとか。
 べつに政策が変わったわけでもないのに不思議な現象ですね。つまり民主党の支持が落ちていたわけではなくて、鳩山前総理の支持が落ちていただけ、ということでしょうか。

 私は国政、地方選挙問わず、投票にはなるべく行くようにしています。
 投票行動は一定しておらず、自民党に入れたこともあれば共産党に入れたこともあります。

 私の祖母は、14年ほど前に亡くなりましたが、戦後の、初めての女性も含めた普通選挙に投票に行ったときのことを、熱く語ってくれました。戦前は、普通選挙が実施されていたとはいっても、男性にしか選挙権はなかったわけですから、祖母は自分が投票をする時代がくるなどとは、思っていなかったことでしょう。投票の引き換え券を胸に大事に握りしめて、投票所である小学校まで走って行ったそうです。
 誰に投票したのか、と問うと、顔の良い男の人、と答えました。
 それ以降もかかさず投票に行ったらしいですが、その都度、政策などは気にせず、顔の良い男に入れ続けたそうです。それも投票所に貼ってあるポスターを見てその場で決めるとか。
 顔が良いのは得ですね。祖母のような理由で投票していたら、国会は二枚目と美女ばかりになってしまいますね。
 しかし民主主義というのは本来そうしたものと考えたほうが良いでしょう。候補者は甘い話ばかりしますし、当選したら平気で約束を破ります。ぱっと見の印象で投票したからといって、誰も有権者を攻められません。タレント候補が大量の票を獲得する姿を見れば、一目瞭然です。
 民主主義は民主主義ゆえに愚かな結果をみせることもある、ということを肝に銘じておかなければなりません。第一次大戦後、ワイマール憲法下で民主的に政権を奪取したナチがよい反面教師です。

 祖母は男権論者でもありました。「男がしっかりしなきゃだめだ」とか、「女に学をつけるとろくなことはない」と言っていました。私が食器を洗うのを手伝うことすら嫌がりました。男が台所仕事などするものではない、と。
 昔の女だったのですね。
 しかし今、私は台所にも立てば便所掃除もするのです。