損得か、思想信条の違いか

思想・学問

   現在、世界の人口はおよそ70億人なのだそうです。
 1900年にはおよそ16億人だったそうですから、怖ろしい勢いで増えていることになります。

 一方、わが国をはじめ、先進国は減少傾向。

 豊かな国で人口が減るのは不思議ですね。

 人類にとっては永遠とも思える時間のなかで、今この瞬間に同時に生きているというのは、例え遠い異国の、会ったことも無い人であっても、強い縁があるのだろうと思います。
 まして日本というマイナーな言語をあやつる1億ちょっとの人々は、まさに同胞。
 その中でも家族や友人、同僚になって言葉を交わす人々というのは、奇跡のような確率の縁ですね。

 そう思うと、身近な人も、そうでない人も、すべての人々が限りなく愛おしく感じられます。

 一方で、戦争が絶えたことはなく、テロは頻発しています。
 愚かなことですが、これが人間の限界なのでしょうか。

 チンパンジーは、集団での戦闘を繰り返すのだとか。
 一方、チンパンジーより少し小さいだけのボノボは、集団での戦闘を行うことはないそうです。
 ボノボの特徴は、異性間でも同性間でも、疑似的性行為を頻繁に行い、親密さを増すことで、平和を保っているのだとか。

 LOVE & PEACEを実践しているかのごとくです。

 しかし、我々人類が、声高にLOVE & PEACEを叫んだところで、ボノボのようにはなれないでしょう。

 悲しいかな、それが人間の本性。

 ならばできることは、利害の調整くらいしかありません。
 しかし、利害による戦は避けることができても、思想信条の違いによる争いは、なかなか簡単には避けられないでしょう。

 損得勘定なら、痛み分けによる落としどころは見つかるはずです。
 まして、第三次世界大戦みたいなことになれば、核兵器による共倒れは必至です。
 共倒れは究極の損。
 だからこそ、戦後最大の核戦争の危機であったキューバ危機をも乗り越えたのでしょう。
 当時、クレムリンもワシントンも、全面核戦争を覚悟したと伝えられます。

 思想信条の違いによる争いの場合、一方が、どんなに損をしても絶対に引かない、と覚悟した場合、相手方も引くことが出来ません。

 厄介ですねぁ。

 損得を第一に考えられる、冷静な人間を作る教育が求められる所以のものです。


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