敬老の日

社会・政治

 今日は敬老の日ですね。
 わが国は伝統的に老人を大事にしてきたお国がら。
 姥捨て伝説などの例外はありますが、明治のお雇い外国人が、皺が多いほど尊敬される国、と呼んだそうです。
 猫は長生きすれば猫又になるとか。
 それなら人は仙人になりましょう。

 しかし最近、生きているのか死んでいるのかわからない行方不明の老人が続出し、社会問題になっています。
 悪質なのは、老親の年金欲しさに死んでいるのに生きていることにしたり。
 それを見抜けぬ役所は無能呼ばわり。

 少子高齢化はますます進み、高齢者の比率は男で約20%、女で約25%に達するとか。
 これがさらに進めば姥捨ても伝説では済まなくなります。
 現に年金の支給金額は減る一方。
 日本経済の先行きも不安とのことで、かつて観た「楢山節考」も切迫感をもって迫ってきます。
 緒方拳演じる息子が母親を背負って山に捨てに行くシーンが、国家ぐるみで行われるやもしれません。

 移民受け入れによる国民の世代構成比を正すという劇薬もありますが、欧州諸国で見られる移民との軋轢を考えると、躊躇せざるをえません。
 若い男女になんでもいいから結婚して子どもを作れと言ったって、動物園のパンダの交配じゃあるまいし、極めて個人的なことで、強制するわけにもいきません。

 敬老の日を心底祝える将来が来るのか、不安です。

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