新世界より

文学

 ドボルザークの交響曲のことではありません。

ドヴォルザーク:交響曲第9番 新世界より
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団,ノイマン(ヴァーツラフ),ドヴォルザーク
日本コロムビア

 貴志祐介のSF長編のことです。
 文庫本で上中下の3巻、計1,500頁を超す大作をやっと読み終わりました。

新世界より 文庫 全3巻完結セット (講談社文庫)
貴志 祐介
講談社

 SFの宿命というか、無理目なストーリーではありましたが、興味深く読みました。 
 この作者はホラー作家というイメージが強いですが、SFも書くのですね。

 千年後の日本。
 大人になると呪力と呼ばれる超能力を発動することができるようになった社会を描いています。
 一見すると平和で豊かな社会ですが、業魔だの悪鬼だのと呼ばれる突然変異が生まれ、町の平和を脅かします。
 また、高度な知能を持つバケネズミのコロニーを人間が支配しています。

 好奇心に駆られ、タブーを犯し、ゆえにひどい目に会う少年少女たちの友情や成長を描いて、冒険譚でありながら、どこかノスタルジックな味を醸し出しています。

 まずは突飛な物語の世界に入り込めるかどうかが、この小説を面白く読めるかどうかのカギになります。

 私にはわりと面白く感じられました。


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