明後日、勤労感謝の日はもともと新嘗祭。
新嘗祭とは、新米をはじめとする秋の収穫物を神々に捧げるとともに、天皇陛下自らがそれを食し、秋の収穫を祝う、宮中の行事であり言わば収穫祭です。
それが戦後、勤労感謝の日と名前を変え、続いてきました。
かつて勤労といえば農業。
わが国の農耕民族としての面目を保つお祭りです。
籾すりの 新嘗祭を 知らぬかな 正岡子規
ユーモラスな句ですねぇ。
新米の籾をする籾摺り機にとっては、新嘗祭など知ったことではないのです。
新米に 菊の香もあれ 小六月 正岡子規
小六月とは、新嘗祭の頃の小春日和の別称。
旧暦六月は新暦では五月の半ば。
秋も深まった頃、ふと訪れる五月のような爽やかで暖かい日を詠んでいます。
菊は秋の花。
五月のような爽やかな日に、秋の花たる菊の香りが漂っているという、季節の倒錯を感じさせますね。
天つ風 雲の通ひ路 吹き閉じよ をとめの姿 しばしととめむ
百人一首にも選ばれた僧正遍昭の有名な歌です。
新嘗祭の最後に行われる豊明節会(とよあかりのせちえ)を歌ったもので、宴会の席で天女が降りてきて舞を舞う、その天女の舞にうっとりと見惚れる作者の姿が浮かびます。
しかし和歌や俳句では、新嘗祭を直接詠んだものはごくわずかです。
謹厳であるべき新嘗祭を詠うことは、何となく憚られたのかもしれませんね。
そういえば今年の新嘗祭、陛下が取り行われるのでしょうか。
それとも東宮殿下が代わりを務められるのでしょうか。
陛下ももうご高齢、昔よくあったように東宮殿下に譲位して陛下は上皇におさまり、のんびりしていただいたほうがよろしいかと思います。
死ぬまで天皇という激務を続けろとは、あまりに酷というものです。
平成の御代ももう23年。
譲位に異を唱える者もいないのではないでしょうか。
譲位が難しいのなら、昭和天皇が皇太子時代に摂政宮として公務を主に引き受けたように、東宮殿下に摂政宮にお就きあそばし、今上陛下の負担を軽減するというのも一案かと思います。
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