私の職場の先輩が、うつ病で休み始めました。
そろそろ一か月になります。
この人は十五年以上前に発症し、以来、長期病気休暇を繰り返しています。
奥様と子どもを養うためには辞めるわけにもいかず、あんなに再発を繰り返したらさぞかし辛いだろうと思います。
同病相哀れむというやつですかねぇ。
ここ二年ばかりは元気に通っていたのですが、再発してしまいました。
他人事とは思えません。
そういえば最近、新型うつ病という病名を耳にするようになりました。
普通のうつ病患者は何もできない、何もする気が起きない、気分が沈む、頭が働かない、動作が緩慢になる、すぐに涙をこぼす、希死念慮が強い、といった症状が特徴です。
しかし新型うつ病は、職場や学校などに行くと急激に不安になり、気分が落ち込むが、家では元気で、病気休暇中もうつ病患者とは思えないほど休暇を満喫する、という特徴を持っているそうです。
新型うつ病への偏見はうつ病へのそれに倍するものでしょうね。
詐病に見えてしまう危険性が高いですから。
新型うつ病、2005年くらいから急増しているそうです。
派遣の大幅な自由化が行われた翌年です。
つまり、正社員で入社すれば年功序列で出世し、給料が上がっていく、というモデルが壊れ、その場かぎりの使い捨て、もしくは極端な能力主義がはびこった結果の副産物だというわけです。
どうせ使い捨てなのだと思えば、職場に行く気も失くすでしょうし、会社の建物を見ただけで気持ちが沈むでしょう。
それは容易に想像がつきます。
そういう意味では、新型うつ病患者は日本社会の基本的システムが崩壊したための犠牲者だと言えるでしょう。
すると旧来のうつ病患者への対処法とは自ずと違った治療法が求められます。
服薬と安静を基本とし、体調が良くなってきたら新聞を読んだり散歩をしたりといったことを始め、復職数か月前には障害者職業センターなどで職業訓練を受ける、というのが私がうつ病を克服したプロセスです。
新型うつ病の場合、これに加えて自己変革が求められるでしょう。
それは年功序列の会社に再就職することでも良いし、割り切って使い捨てでも良いから給料さえもらえれば良い、と考えを変えるか。
でも難しいでしょうねぇ。
生身の人間ですからねぇ。
私としては、早く新型うつ病の有効な治療法が確立されることを望むばかりです。
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