AKB48の何とかいうメンバーがツイッターで新型うつ病の患者を評して、「ただのゆとり」とつぶやき、炎上してしまったそうですね。
ご当人は大層な努力家だそうで、そういう人ほど新型うつ病に限らず、うつ病患者全体がただの怠け者に見えてしまうのかもしれません。
このような話題に接して、新型ではないものの従来型のうつ病を発症し、後に双極性障害に進行したわが身を振り返ると、敏感にならざるを得ません。
新型うつ病は誤解を生みやすいことは確かでしょう。
従来のうつ病は発症するとどんな好きなことでも全くやる気が起きず、四六時中落ち込んでいるのに対して、新型うつ病は仕事中やストレスがかかっている状態では落ち込んでいるのに、趣味など好きなことでは活発に活動すると言いますから。
従来のうつ病とはかなり症状が異なります。
また、20代・30代などの若い世代、いわゆるゆとり世代に患者が多いというのも誤解を生みやすい原因でしょうねぇ。
しかし、私が新人だった20数年前には、従来のうつ病患者も偏見にさらされ、ただの怠け者のような扱いを受け、引導を渡されて自ら辞職していく、ということがよくありました。
それが今では、研修の際には必ずメンタルヘルスの講義が設けられたり、実際に職場にうつ病患者が出たら復職支援をしたりと、かなり手厚くサポートするのが当たり前になりました。
一つには、あまりにもうつ病患者が増えたため、その都度退職されたら困るという職場の事情もあるのでしょう。
不幸中の幸いは、私が発症して時点が、少なくとも従来のうつ病に対する世間の認知が進んできた時代だったことでしょう。
もう少し早ければ陰に陽に圧力を受け、辞めざるを得なくなっていたであろうことは容易に想像できます。
新型うつ病についても、今は偏見が強くても、その病理が医学的に明らかになっていくにつれ、理解が深まっていくのではないかと期待しています。
私自身は経験上、症状の重い時に、いくら好きな趣味に限ったことにしろ、活発に動き回ることが出来る状態というのは想像しにくいですが、それは従来のうつ病を患ったことが無い人に理解しろというのと同じことでしょう。
少なくとも新型うつ病の当事者は苦しんでいることでしょう。
なぜある特定の場面でうつ症状が出て、趣味などになるとそれが消失するのか分からないとか、、それがために偏見にさらされなければならない理不尽とか、苦しみが生まれる要素くらいは想像できます。
まずは精神医学の発達により、従来のうつ病とは異なる新型うつ病のメカニズムが明らかにされることを切望します。