新生児取り違え

社会・政治

 新生児の取り違え事件という話を時折耳にします。
 同じ産院で近い時刻に誕生した2人の子どもを、病院がそれぞれ実の両親ではない親の子だと間違えてしまうという事件です。
 要するに誤りによる取り換えっこですね。


 最近、福山雅治主演の「そして父になる」という映画でも取り上げられましたね。
 

そして父になる【映画ノベライズ】 (宝島社文庫)
是枝 裕和,佐野 晶
宝島社

 私のイメージでは、わりと子どもが幼いうちに真相が発覚し、それぞれの両親の元に引き取られ、しかし環境の違いに親子ともども苦しむという感じを持っていました。

 しかしこのたび、60歳の男性が取り違えられていたことが判明し、病院に損害賠償を求めて告訴し、勝訴したそうです。
 病院は当初取り違えを否定していたそうですが、DNA鑑定の結果、動かぬ証拠が出てきてしぶしぶ認めたそうです。

 原告の育ての父は原告が2歳の時死亡。
 母親は女手一つで2人の兄と原告を育てますが、生活は困窮を極め、2人の兄と原告はいずれも中学卒業と同時に働き始めたそうです。

 一方実の両親は裕福で、取り違えられた男と3人の実の息子の4人は全員大学や大学院に進学し、実の弟3人はいずれも大企業に就職したそうです。

 取り違えを疑ったのは、実は弟3人。

 母親が、「長男のためにあつらえた産着と違う産着を着ていた」と語っていたことや、長男とされた男が両親や弟と外見も性格も全く似ていないこと、母親の介護にひどく冷淡だったことなどから、平成20年に裁判所に訴え、長男と両親が親子関係に無いことを突き止めたそうです。

 そして3人の実弟は実の兄を見つけ出しますが、最初実の兄はその話を信じなかったそうです。
 しかし実弟が持ってきた両親の写真などを見て、自分とよく似ていることや、3人が熱心であったことからDNA鑑定を受けることを承諾し、真実を知ったというわけ。

 実の両親も育ての両親もすでにこの世に亡く、記者会見した原告は、「生みの親にも育ての親にも、また義理の兄2人にも実の弟3人にも感謝しているが、生まれた瞬間に戻りたい」、と切ない心情を述べていました。

 やれませんねぇ。


 このケースはすでに人生の戦いを終え、隠退できる年齢に差し掛かってから判明したものですが、子どもが小学生や中学生で判明すると、非常に難しい問題にぶち当たるでしょうねぇ。

 子どもを取り換えっこすることになるわけですから。

 特に片方が貧乏で片方が裕福だった場合、裕福な家庭で育った子どもはある日突然、貧窮問答歌の世界に放り出され、逆の場合慣れないながら裕福な生活を甘受できるようになるわけです。

 貧乏だから必ず不幸というわけではないでしょうが、食うや食わずの生活に幸福を感じられるはずもありません。

 お金があれば幸せとは限りませんが、生活に困るほどお金が無いのは不幸なことです。

 よくお金で買えない物もある、という言説を耳にしますが、逆に言えば大抵の物は金で買えると解釈できます。

 金で買えない物というのは一体何でしょうね。

 おそらく思想信条や精神、愛情などの形而上的な問題、あるいは健康や長寿などの肉体的な問題を指しているものと思われますが、そもそもそういう物を金で買おうなんて常識ある人なら思いもしないでしょう。

 そうであるなら、およそ人間が欲しいと思う全ての物は金で買えるということになろうかと思います。

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