日本国憲法96条

社会・政治

 年度末ですねぇ。

 今の部署は年度末だからと言ってどうということもありませんが、私が長く勤務した契約事務は、年度末は殺人的な忙しさでした。

 いつも虚しく思っていましたね。

 予算の単年度主義が日本国憲法に明記されているため、何が何でも予算を遣い切ろうと、無理やり様々な契約を結ぶのです。
 繰り越すなり国庫に返納するなりできれば、無駄な仕事に四苦八苦せずとも済んだでしょうに。
 繰越が認められているのは、年度をまたがる大規模工事など、特例だけでした。

 憲法改正というとすぐに9条を連想してしまうのは、わが国にとって不幸なことですね。
 9条はそのままにしておくとしても、手直しすべきところはたくさんあります。

 とくに近年、情報化の波が押し寄せていますので、知的財産や情報管理などは、憲法に記載されていませんから、対応できません。
 予算の単年度主義にしてもそうですね。

 私が特に改正の必要性を感じるのは、憲法96条です。

第九十六条  
  この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。
○2  憲法改正について前項の承認を経たときは、天皇は、国民の名で、この憲法と一体を成すものとして、直ちにこれを公布する。

 これは事実上、憲法改正を不可能にしています。
 しかも憲法改正が成った場合、天皇がこれを公布することになっており、1条の天皇条項を改正しないことが前提となっています。

 したがって私は、まず、96条の改正だけを先行して行い、国会議員の三分の二以上の賛成で発議するところ、過半数とし、天皇ではなく国会議長なりがこれを公布することにしなければならないと考えています。
 そうすれば、わりあいと柔軟に改正することができます。
 また、国民投票は残すことにすれば、国会議員による恣意的な改正は極めて困難になります。


 法律というのは消耗品のようなところがあり、経年変化によって古くなり、新しい価値観を取り入れたり、古い価値観を捨て去らなければならなかったりします。
 
 例えば大宝律令やら武家諸法度やらが現在生きていないのは、そういった理由によるものでしょう。

 現在の日本国憲法を後生大事に守り続けたならば、法律護って国は滅んだ、みたいなことになりかねません。
 憲法が出来てもう66年も経ちます。
 66年も国の最高法規を全くいじらなかった国というものを、寡聞にして知りません。

 敗戦から2年を経ずにドタバタで作り上げた法律を全く変更しないということは、非常識と言っても良いでしょう。

 幸い、かつてのようなイデオロギー対立は無くなり、政治家は常識的になりました。
 それなら常識に従って大人の判断を下すべきでしょう。


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