早朝覚醒

文学

 今朝は四時に目が覚めてしまいました。早朝覚醒ですね。これは精神疾患の症状の一つで、時々現れます。そんなときは無理に寝ようとしないで、起きてしまうに限ります。
 静かに、「角川春樹句集」など読んでいます。角川春樹の句は、どこか荒らしくて、俳句らしい枯れた感じがなく、面白く読めます。

 例えば、
  黒き蝶ゴッホの耳をそぎにくる
 
芸術家の狂気を黒い蝶に例えて、不気味です。
 
  また、
  少年期晩夏の海に銃を撃つ
 少年期のいらいらした感じがよく出ています。
 
  さらに、
  鳥葬の人肉きざむ秋の山
 秋の山というのどかなイメージと人肉きざむというおどろどろしいイメージが対比をなしています。

 「角川春樹句集」は驚きに満ちていて、まだ暗い早朝の私を、震えさせるのです。

地果て海尽きるまで―角川春樹「魂の一行詩」自選一〇〇
角川 春樹,金田 石城
角川春樹事務所