明治大帝の御製

文学

 世と共に かたりつたへよ 国のため いのちをすてし 人のいさをは

  
明治天皇の御製です。
  国家国民のために命がけで尽くした人の名誉は後の世まで語り伝えたい、というほどの意かと思います。

 今、まさに原発事故や遺体の収容、がれきの除去など、危険な任務に就いている人々こそ、語り伝えなければならないのでしょう。
 逃げることばかり考えている私からみれば、頭がさがります。

世の中の 人のつかさとなる人の 身の行ひよ ただしからなむ

 
これも明治大帝の御製です。
 人の上に立つ人は身の行いをただしくしなければならない、といった意味かと思います。

 現在の危機にあって、民主党政権や東京電力幹部には、耳が痛いんじゃないでしょうか。

やすくして なし得がたきは 世の中の ひとの人たる おこなひにして

 
またもや明治陛下の御製です。
 簡単なようで人間らしい行いをすることはむずかしい、と嘆いています。

 しかし今回の震災で被災者が示した態度は、ひとの人たるおこなひ呼んでよいのではないでしょうか。

 明治天皇は和歌や読書が大好きだったとか。
 しかし公務が忙しく、なかなか古今の書物をひもとくことができなかったようです。
 最後にそんな明治天皇の恨み節を一首。

繙かむ 暇(いとま)なき日のおほきかな 読むべき書(ふみ)は あまたあれども

明治天皇―「大帝」伝説 (歴史と個性)
岩井 忠熊
三省堂

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