わが国で阪神淡路大震災が起きた時や、東日本大震災が発生した時、外国のメディアはわが国では混乱の中でも人々は冷静で秩序を守り、暴動も略奪も起きないことを賞賛する報道をして、逆にわが国のマスコミはそんなことがニュースになるのかと驚いて諸外国が伝えるニュースを報道していました。
わが国においても、古くは関東大震災の時など、朝鮮人虐殺などが起こり、必ずしも常に秩序を守っているわけではありません。
一方、幕末、隅田川花火大会に出かけた米国政府関係の米国人は、このような人ごみの中で、みな、「ちょっとごめんなさい」、「ありがとう」などと笑顔で声を掛け合い、極めて秩序だって花火を楽しんでいることに驚愕の念を覚え、米国人であれば乱闘や暴動が起きているだろう、と日記に書き記し、この小さな島国は将来米国にとって脅威になるだろうと、見事な予言を残しています。
このたび、移民大国のスウェーデンで、刃物を持ったポルトガル系の移民が警察官に射殺された事件をきっかけとして、移民による大規模なデモが発生、ついには手当たり次第に車に火を放ったり、略奪に及ぶなどの暴動に発展し、それは6日も続いた、という一報を耳にしました。
スウェーデンは人口の15%が移民で、もはや移民抜きでは国家が成立し得ない状況になっています。
米国のようにそもそも移民もしくは侵略者の子孫ばかりが住んでいる国家と違い、欧州諸国やわが国のように、もともと同質性が高い国家にとって、移民というのは魅力的ではありますが、処方を間違えば社会不安を引き起こす可能性がある劇薬です。
人が嫌がるような仕事でも移民は生きるために引き受け、それら安い労働者を求める欧州の先進諸国は、数十年前こぞって移民を受け入れました。
しかし移民も2世、3世となれば、それぞれの国の生まれながらの国民であり、当然教育を受け、より有利な職を求めるのは当然で、そうなってからお前ら国に帰れとはとても言えません。
そこで今、欧州諸国では移民排斥を訴える右派政党が支持率を伸ばしているというわけですが、自業自得というか、問題の種を蒔いたのはそれぞれの政府です。
わが国は幸いにして、大規模な移民受け入れを行っていません。
今後少子高齢化が進み、労働人口が減少しても、安易に移民受け入れに舵を切るのは剣呑というべきでしょう。
私は日本国が経済的、軍事的、政治的に衰退するのだとしても、移民受け入れで事態を打開しようとすることには反対です。
大量の移民流入によって、わが国社会の高度な同質性が崩壊し、強固な異文化コミュニティが各地に生まれることを怖れます。
それが杞憂で済まないであろうことは、現在の西欧諸国が移民の問題に苦しんでいることからも明らかです。
移民に関しては、賛否両論があります。
賛成・反対の双方の言い分を知る必要があります。
それには以下の2冊が簡便でよろしかろうと思います。
![]() | 移民不要論 |
佐伯弘文 | |
産経新聞出版 |
![]() | 人口激減―移民は日本に必要である (新潮新書) |
毛受 敏浩 | |
新潮社 |
今回のスウェーデンの事件、わが国の将来の政策を考える一助にしてもらえたらと思っています。