枯淡

文学

 今日は新古今和歌集の撰者、藤原定家の命日だそうです。

 
床の霜 枕の氷 消えわびぬ 結びも置かぬ 人の契りに   藤原定家

 霜も氷も同じことですが、床と枕とで表現を変えているのは、いかにも新古今和歌集らしい高度な技法ですね。
 下の句で急に女の厭らしさが出ているのが残念です。

 
藤原定家です。

 この時期、藤原定家といえば、次の和歌にとどめを刺すでしょう。

 
見わたせば  花も紅葉も  なかりけり  浦の苫屋の  秋の夕暮れ

 
なんとも寂しげな和歌ですね、こういう枯淡の境地に達するには、どれだけの和歌を詠み、修行しなければならないのでしょうか。

 もちろん私でいえば、研究教育機関での事務職が、修行にあたるわけですが、これがなかなか枯淡の境地からは程遠いのですよ。
 事務員にも教員にもいやなやつはいっぱいいるし、何かと逃げ腰の管理職はいるし。
 結局人にもまれるのが、私の修行なんでしょうかねぇ。

新古今和歌集〈上〉 (角川ソフィア文庫)
久保田 淳
角川学芸出版
新古今和歌集〈下〉 (角川ソフィア文庫)
久保田 淳
角川学芸出版

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