オバマ米国大統領が、核兵器の先制不使用を宣言することを検討しているというニュースが飛び込んできました。
要するに、相手が使わないかぎり、米国が先に核兵器を使うことは無い、という宣言。
たいへん結構なことのように思います。
しかし、わが国をはじめとして、英国やフランス、韓国などの米国の同盟国はこれに反対しているのだそうです。
その理由は、核兵器の抑止力を弱め、かえって紛争のリスクを高めるから、だそうです。
安倍総理もそのようにお考えだとか。
しかしこれは、口約束です。
空手形と言ってもよいかもしれません。
先に使うことはない、と言っておいて、実際は使ったってよいわけです。
おそらく、ロシアや中国、北朝鮮など、米国から核兵器を向けられている国々は、米国大統領が核兵器の先制不使用を宣言したからと言って、馬鹿正直にそれを信じることは無いでしょう。
むしろ疑心暗鬼に陥って、よりいっそう米国の行動に注意を払うのではないでしょうか。
そして争いごとと言うものは、嘘をつこうが、約束を破ろうが、勝ちさえすればいくらでも言い訳し、おのれを正当化することができます。
日ソ不可侵条約を破ってわが国領土を侵略した当時のソビエトが、正義面をぶら下げて戦勝国の一角に連なったことを思えば、それは明々白々たる事実です。
日英仏韓がオバマ大統領のお考えに反対していること自体が、猿芝居のように見えてなりません。
同盟国がこぞって反対すれば、米国の宣言はより確かなものに映るでしょうから。
米国は核兵器を先に使うことは無いと信じさせておいて、先制使用というオプションを密かに維持し続ければ良いのです。
オバマ大統領だって、米国を長年率いたお方。
単純に核兵器は悪だと考えているとは思えません。
私はオバマ大統領が核兵器の先制不使用を宣言することに賛成です。
ただし、繰り返しになりますが、それをいつでも破る準備と覚悟を隠し持つことが前提です。
だまし討ちは効果的ですからなぁ。