今日、6月19日は太宰治の命日、桜桃忌ですね。
今も若者を中心に多くの愛読者を持つ不世出の天才作家です。
毎年この日にはお墓参りを欠かさないファンも多いと聞きます。
私も中学生の頃、文庫本で読める作品はすべて読みました。
当時は「人間失格」やら「斜陽」やらのいわゆる代表作にのめり込みましたが、今思えば、彼の精神が最も安定していた中期の短編群が小説としての完成度が高いように感じます。
太宰治が「駆け込み訴え」を口述筆記した時その場に居合わせたという編集者曰く、酒を含みながら、よどみなく一気に話し、しかも文字に起こすと完璧な文章になっていた、と言いますから、やはり天才だったのでしょうね。
ただ、彼の私生活をみると、どうしても人物としては好きになれません。
心中未遂を繰り返してそのたびに女が亡くなって自分だけが生き残ったり、妻子がありながら浮気を繰り返して不義の子をもうけたり、芥川賞欲しさに川端康成などに泣きついたり、いわゆるだらしのない人ですね。
高校、大学と古典文学や擬古典的な近代浪漫文学に魅力を感じるようになり、自然と、太宰治の作品からは離れて行きました。
でも今、自分が中年になってみると、あの甘ったれた感じの、わざと助詞を省く独特の文体に、奇妙な魅力を感じたりもします。
生きていたら103歳ですか。
まれにそのくらいまで生きる人がいますから、有り得ない年齢ではないですね。
今も生きていたなら、女子高生の尻を追っかけていたかもしれませんね。
あるいはAKB48のライバルになるような少女アイドルをプロデュースして、ついでに何人か食っちゃったりしていたかもしれません。
女好きの大作家にして103歳の御大、太宰治を見たかったような気もします。
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