梅雨入り

文学

  今日は雨。
 いよいよ梅雨入りでしょうか。

 五月雨や 大河を前に 家二軒

 与謝蕪村の俳句です。

 五月雨のなか、激流となっている川の前に家が二軒建っている、という絵画的な句です。

 正岡子規が、かつて松尾芭蕉の有名な、

 五月雨を 集めて早し 最上川

 よりも優れていると評して、当時の俳壇は騒然となったと伝えられます。

 どちらが優れているかはお好みでしょうが、私は与謝蕪村を偏愛していますから、俳聖、芭蕉をしのいでいる面もあろうかと思います。

蕪村句集 現代語訳付き     (角川ソフィア文庫)
玉城 司
角川学芸出版

 それにしても、川っぺりに建つ二軒の家はどうなったのでしょうね。
 無事だと良いのですが。
 まさか流されたんじゃ?

 そんな想像を掻き立てる句ですね。

 雨の休日には、家に閉じこもり古人の詩歌に親しむという楽しみもあります。
 お出かけばかりが能ではありますまい。