棄教

社会・政治

 今朝は菊池直子容疑者逮捕の報について触れなけらばならないでしょうね。

 オウム真理教の第2厚生省なる組織で、すでに死刑が確定した土谷正実受刑者の部下としてサリン製造に携わっていたという重大犯罪の容疑者。

 事件前テレビに出てくる菊池容疑者は小太りの健康的な若い女性でした。
 しかし17年の時を経て、20代前半だった菊池容疑者は40代となり、げっそりとやつれて昔の面影はありません。
 まだ逃走中の経緯について詳しい報道はありませんが、よほどしんどい思いをしたものと推測します。

 私が興味深いのは、深く信仰した宗教に命じられるままに大規模テロ事件に加担するまでの心境と、逃走中当然目にし、耳にしたであろうオウム真理教をめぐる奇怪な実態を知って、どのように菊池容疑者の心のありようが変化したのか、ということです。

 自分が正しいと固く信じていた教えを、間違っていたのだと認めることは、人格が崩壊してしまう怖れがあるほどに辛いことだろうと思料します。

 17年も、警察の影に怯えながら、少しずつ思考を積み重ね、それでもオウム真理教を信じ続けるのだと決めたのか、あるいはこれ以上は耐えられない、棄教しようと決心したのか、それはこれからの取り調べで明らかになるでしょう。

 その報道の過程は、もしかしたら日本に布教にきたカソリックの神父がキリスト教を棄てる過程を描いた遠藤周作の名品「沈黙」を地で行くものになるのかもしれません。
 小説もさることながら、篠田正浩監督によって作られた映画もなかなかの佳作でした。

 いずれにしろ、取り調べの報道から目が離せません。

沈黙 (新潮文庫)
遠藤 周作
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