様子を見ましょう

精神障害

 私は今までの人生で一度だけ躁状態に陥ったことがあり、そのためにうつ病ではなく、双極性障害と診断されています。
 双極性障害というと躁状態とうつ状態を頻繁に繰り返すイメージがありますが、それはラピッド・サイクラーと呼ばれる人々で、実はあまり多くありません。
 一度でも躁状態が起きると、双極性障害と診断され、抗うつ薬は使えなくなり、代わりに気分安定薬を主剤とし、抗精神病薬、抗不安薬を補助的に用いることになります。

 双極性障害で最も問題となるのが、うつ状態の時に抗うつ薬を使うべきかどうか、という点です。
 抗うつ薬の服用は躁転を起こすきっかけになることがあるので絶対に使うべきではないという意見と、気分安定薬を飲みながら一時的に使うのなら構わないという意見があって、決着がついていません。

 軽いうつ状態だと思うのですが、2年ちかく、奇妙な状態が続いています。
 コロナ禍のため常時マスクをする生活が長引いてから、マスクを外して顔を見られることに強い違和感を覚えるようになったのです。
 マスクを外すと、顔面が痙攣するような、紅潮するような、変な感じです。
 精神科医に話しても、様子を見ましょうと言うだけで、抗うつ薬を使いましょうという話にはなりません。
 主治医が最も怖れているのが人生2度目の躁転だからだと思います。

 最近、希死念慮が出始めました。

 希死念慮というのはうつ状態の時によくみられる症状です。
 自殺したくなるのです。

 はるか前、うつ状態の時に苦しめられました。
 その時の状態は、頭がトロンとした希死念慮だったように記憶しています。

 今は頭がクリーンというか、まともだと思われる精神状態なのに、ふと、死がいともたやすいことのように思われ、もう十分生きたし、これからは衰えるだけで良いことなんて無いだろうと、考えが悪い方に向かうのです。

 不思議な感覚です。
 気分は落ちていないのに希死念慮にとらわれる感じが一か月ほど続いています。

 もちろん、私は自殺などしないと思います。
 死ぬのは怖いですし、どんな方法を採ったところで生身の人間が痛みや苦しみ無く死ねるはずもありません。
 痛いのも苦しいのも御免です。

 さらに不思議なのは、うつ状態の時に感じた希死念慮は苦しいだけだったのに、今の状態の希死念慮は苦しいだけではなく、どこか心地よく感じてしまうのです。

 なぜでしょうね。

 これは最近起きた症状なので、まだ精神科医には話していません。
 次の土曜日が診察なので、これが続くようなら相談してみようと思います。
 様子をみましょうと言われるような気がしてなりませんが、専門家は違った見解を示すかもしれませんし。