近頃の韓国の朴大統領の子ども染みた言動は目に余りますね。
はるばる欧州や米国、ロシアに出かけていってわが国が正しい歴史認識を持たないかぎりわが国とは会談もしないと、告げ口してまわっているようで、諸外国も正気の沙汰とは思えない言い草に、あきれ返っているようです。
例えばベトナムとカンボジアは伝統的に仲が悪いとか、セルビアとクロアチアはかつて戦争をし、今も鋭く対立しているという話は聞きますが、片方が世界を回って悪口を言い続けるなんて、聞いたことがありません。
私たち日本人が、カンボジアとベトナムやセルビアとクロアチアとの歴史がどうなっているかなんて、全然関心が無いのと同様、欧州諸国や米国から見れば、日本も韓国も同じような所にある同じような国で、どういういきさつで日韓関係が冷え込んだかなんて興味ないでしょうに。
まぁ、あのおばちゃんがそんな馬鹿げた言説を世界に広めれば広めるほど、韓国の愚かさが強調され、わが国を利することは確かなので、大いにやってもらったほうがむしろわが国にとっては美味しい話です。
韓国在住30年のドイツ人大学教授は、韓国人に「外国人相手にウリ(我々)と言う言葉ばかりを使って15分韓国人が熱弁を奮ったら、外国人は逃げ出すだろう」と、韓国人に根拠の無い感情的な発言を控えるよう呼びかけているそうです。
そもそも正しい歴史認識なるものが、かつて存在したことがあるのでしょうか?
あるいは逆に、正しくない歴史認識が存在したことがあるのでしょうか?
韓国の大統領が言う正しい歴史認識とは、現在の韓国政府が考える歴史認識ということだと思います。
しかし例えば、お父さんの朴大統領時代の評価をめぐって、韓国国内で論争が起きていますし、同じ民族の韓国と北朝鮮とでは、近現代史の歴史認識が一致することなどあり得ません。
また、韓国は朝鮮半島と中国の国境地帯の歴史をめぐって、それが朝鮮の歴史なのか、中国の一部の歴史なのかをめぐって、論争を繰り広げています。
1人わが国のみならず、隣国全てと歴史認識を共有することが出来ないでいるわけです。
それはつまり、それぞれの国がおのれの歴史認識こそが正しく、他国が間違っていると考えるからでしょう。
さらには、同じ国内でも、思想信条の違いによって歴史認識は異なります。
王政こそ正しいと認識していた歴史が、革命が成功すれば、王政などは否定すべき過去だと変貌を遂げるわけです。
また、同じ地域に住む同じ一人の人間であっても、帝政ロシア時代は皇帝を崇拝し、ソ連になったら途端に帝政ロシアを否定し、不幸にも長生きしてソ連が崩壊したら今度は民主的な価値観に転向したりすることはよくあることです。
卑近な例では、かつて左翼運動に血道を上げていた若者が、就職して途端に自民党支持に回ることなど、枚挙に暇がありません。
要するに、今現在持っている歴史認識は、国や団体によって違いがあっても全て正しいし、また、時代の変化によってそれは容易に正しくない歴史認識に変わるわけです。
そう考えると、歴史認識とは、現在の個々の価値観を示すものに過ぎず、未来永劫正しいことも、正しくないこともあり得ないと言えるでしょう。
だからこそ歴史学者は、実証を重視するわけです。
そうはいっても歴史学者も時代の子ですから、現在のそれぞれの社会の価値観から逃れる術は持たないはずです。
宗教でも思想でも、それだけが正しいと深く信じ込んでしまえば、それ以外の価値観や歴史認識は否定せざるを得なくなります。
そこで、自由民主主義という考えが生まれ、違いがあっても互いに尊重し合おうということになったわけです。
たしか韓国も米国と同盟を結ぶ自由民主主義国家を名乗っていたような記憶がありますが、私の記憶違いだったでしょうか。
英国のチャーチル元首相は民主主義について、「最悪の政治体制だ。ただし、過去に試みられたすべての政治体制を除いて」と、名言をはいています。
民主主義は民主主義を唯一の正しい価値観だとは思わず、かなりひどいけど比較的マシな政治体制程度にしか考えない、冷静な価値観をもたらしました。
必然的に、冷静な思考から、絶対に正しい価値観や歴史認識など存在せず、できる事は互いの相違を認めて尊重し合い、利害が衝突したならよく話し合いましょう、ということだけだという現在の大人に求められる冷めた態度が肝腎だと気付かなければ、他国から相手にされなくなるでしょう。
貴重な民主主義国家同士の隣国である賢明な韓国国民におかれましては、世界はどう出来ているかをよく見極め、損得勘定もして、さらには自由民主主義の真髄を考察すれば、自ずとどう振舞うのがより得かがお分かりになるものと思います。
簡単なことです。
西欧や米国、日本など、この100年世界を引っ張ってきた国の真似をすれば良いのです。