戦前の少年犯罪について書かれた本を読みました。主に少年院が収容者に聞き取り調査して、法務省の内部資料にしたもののようです。
このなかで、不良少年のほとんどは活動写真と冒険小説に耽溺しています。
今、冒険小説でも読めば読書家として誉められ、映画好きといえば高尚な趣味と感心されるでしょう。
ところが大正期には、活動写真を見るというだけで、不良と呼ばれ、現に良家の子女はそんなもの見なかったようです。
大泥棒が活躍する活動写真に影響されて泥棒を働いた、とか、放浪のガンマンに憧れて家出した、とか、そんな話たくさん載っていました。
今でいえば、ポルノを見て強姦するような感じでしょうか。
そういえば、高校生のころ、寅さんに憧れて、学校をさぼって柴又に行った、という級友がいました。暴力沙汰を起こして、退学処分になってしまいましたが、今頃どうしているでしょうか。
戦前期少年犯罪基本文献集 明治・大正編 1(全10巻) 日本図書センター このアイテムの詳細を見る |