涙雨

その他

 亡父の死を悼むかのごとく、涙雨が時に弱く、時に激しく降っています。

 私は通夜と告別式の日取りが決まるのをただマンションで待っているだけ。

 実家ではさぞかし大忙しでしょう。
 手伝いに行きたい気持ちはやまやまですが、かえって足手まといになるだけでしょうから、実家からのお呼びを待つ他ありません。

 実家は日蓮宗の寺院ですが、父が13歳のときに祖父が急死。
 それから26歳で住職におさまるまで、ずいぶんと苦労したように聞きました。

 しかしその後は、宗門で出世街道をひた走り、全国青年委員長、宗議会議員、総合企画部長、そして日蓮宗宗務総長と、事務方のトップへと駆け上がりました。

 引退してずいぶん経ちますが、おそらくは通夜、葬儀も盛大にならざるを得ず、それだけに日取りの決定に時間がかかっているものと思われます。

 強運の持ち主だった亡父のこと、日取りさえ決まれば涙雨はきれいに上がり、極楽往生を寿ぐかのような晴天に恵まれるものと信じています。