渇き。

映画

 昨夜は衝撃のミステリー、「渇き。」を鑑賞しました。



 

渇き。 プレミアム・エディション(2枚組+サントラCD付)[数量限定] [Blu-ray]
役所広司,小松菜奈,妻夫木聡,清水尋也,二階堂ふみ
ギャガ
渇き。 プレミアム・エディション(2枚組+サントラCD付)[数量限定] [DVD]
役所広司,小松菜奈,妻夫木聡,清水尋也,二階堂ふみ
ギャガ

 妻の不倫相手を殺害したことから、警察を追われた元刑事。
 この役を役所広司が演じてあまりの狂的な暴力ぶりにまず気圧されます。

 離婚した妻から、高校生の娘が失踪したとの報せを受け、元刑事は娘を捜索し始めます。

 その手法がまた乱暴というか、滅茶苦茶です。

 そして娘、カナコを追ううち、カナコが禁止薬物に手を出していたり、男女問わず、取り巻きの少年少女を操って、言葉巧みに売春をさせていたり、カナコの裏の部分が見えてきます。

 父親は、カナコは誰にでも優しく、魅力的で、それでいて凶暴で残酷な悪魔のような一面を持っていたことを知るのです。

 アニメを挿入したり、暴力シーンにはおよそ不似合いな甘ったるいバラードを流したり、かなり斬新な映像で、観る者の心を掴みます。

 悪魔のようなカナコに、まわりの少年少女は夢中になるのです。
 そして、私も。

 カナコは「不思議の国のアリス」を愛読する文学少女でもあります。

不思議の国のアリス (角川文庫)
河合 祥一郎
角川書店(角川グループパブリッシング)

 単なる少女が持つ悪魔性・残虐性を超えた、神あるいは悪魔の領域とでもいうべき場所にカナコは住んでいます。

 カナコ本人も、取り巻きの少年少女も、ひたすら落ち、破滅への道を突き進むのです。

 全く内容は異なりますが、倉橋由美子の名作「聖少女」を想起させます。

聖少女 (新潮文庫)
倉橋 由美子
新潮社

 そして、救いの無い結末。

 原作は、「果てしなき渇き」と言うそうです。

果てしなき渇き
深町 秋生
宝島社

 読んでみたくなりました。

 自らの存在を空っぽと呼ぶ悪魔のようなカナコ。

 親の役に感情移入すべき年なのでしょうが、私はなぜか、カナコと、その取り巻きの少年少女たちに心惹かれました。

 私は永遠の中二病なのかもしれません。

 後味の悪い映画ですが、一見の価値あり、です。

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