最近、煎酒にはまっています。
但し、アルコール飲料ではありません。
ブラタモリでタモリが、「鯛の刺身にはわさび醤油より煎酒が合うんだよな」と言いながら旨そうに食っていたのを見たのがきっかけです。
煎酒とは、日本酒に梅干しと花がつおをいれ、ことことと煮詰めた調味料で、 かつお節の旨味、梅干しの酸味と塩けが生魚や野菜の味を引き立てることから、江戸時代の食卓では欠かせない調味料として広く使われていたものです。
鰹節の旨みがギュッと濃縮されたところに梅干しの酸味とほどよい塩気が加わって、醤油よりも穏やかでさっぱりした風味。
味加減のことを塩梅(あんばい)と書くように、梅の酸味と塩分が絶妙なバランスです。
![]() | 煎酒(いりざけ) 大 煎り酒 |
銀座・三河屋 | |
銀座・三河屋 |
![]() | 煎酒(いりざけ) 小 |
銀座三河屋 | |
銀座三河屋 |
醤油よりも古く、鯛やヒラメなどの白身魚の刺身、イカの刺身、豆腐などによく合います。
醤油をつけると醤油の味が前面に出ますが、煎酒だと、魚本来の旨味を引き出してくれます。
私は毎朝の納豆や卵かけごはんにも使っています。
優れものの煎酒ですが、なぜかマグロなんかには合いません。
マグロは脂が多いからかもしれませんね。
脂が少ない赤身にも、煎酒は合わず、わさび醤油のほうが合うようです。
いり酒を 鍋にのまれて 叱られる
江戸時代の川柳です。
おそらく自宅で煎酒を造っていたのでしょう。
酒を煮詰めすぎて蒸発してしまった様を表しているように思います。
なんだか微笑ましいですねぇ。
醤油の普及とともに廃れてしまったようですが、こんな旨い調味料、復活させない手はありますまい。
スーパーなどで見ることはほとんどありませんが、今はアマゾンなどのネット通販でも購入できます。
出来れば鯛、旨い鯛が手に入らなければイカの刺身でも良いですから、是非煎酒をご賞味あれ。