独り

その他

 今朝は午前中、理髪店に行きました。
 理髪店にしては珍しく、完全予約制です。
 それだけ人気があるということなのでしょうが、それは腕が良いというだけではなく、クレジットカードや交通系など、現金以外での支払いが出来ることが理由の一つに挙げられるでしょう。
 最近ほとんど現金を使うことがなく、現金を持ち歩かないのが普通になっていますから、これは有難いことです。
 現金払いが当たり前だった時には家計簿を付けるのが億劫でしたが、今家計簿に付ける支出は蕎麦屋とコインパーキングだけです。
 自販機ですらスイカが使えますから。

 帰宅したのが11時頃。
 同居人は珍しく古い友人たちに会うからと、今日は留守です。
 イタリア料理のランチコースを食べると言っていました。
 おそらくその後もどこかに行くのでしょう。

 今日は珍しく独りの日曜日となりました。
 洗濯や掃除をしたり、一週間分の食料を買い出しに行ったり、忙しく過ごしました。
 
 そして大きな気付きが。

 わずか半日程度の独りが、とても寂しいのです。
 よく奥さんがいない休日はとても嬉しいと世間のお父さん達は口をそろえますが、私は全然違うようです。
 どれだけ深く同居人に依存していたのかを思い知らされて愕然とします。
 私は一通り家事も出来るし、独りで過ごすことを好むと思っていたのですが、この意外な事態は、私を混乱させるに十分でした。

 もし同居人を例えば交通事故等で喪ったとしたら、私の精神状態はどうなってしまうのでしょう?
 考えるだに怖ろしいことです。

 もう12年くらい前のことになりますか。
 敬愛する父を病気で喪った私は最初の一か月で6キロも体重が落ち、その後も食欲が戻らず、結局1年間で24キロも痩せてしまい、多くの同僚から何の病気かと問われるようになりました。

 何か病気なのか、ではなく、何の病気か、です。
 病気決定ということです。

 体重が戻らないまま何年も経ちましたが、ようやくこの2年くらいで5キロほど増えました。
 父の死を悼んで泣いたり叫んだりしたことはありませんでしたが、胃袋だけが、ショックに耐えられなかったようです。

 同じこと、あるいはそれ以上のことが、同居人を喪ったとしたら、私を襲うでしょう。
 出会って32年、結婚してから25年の歳月が流れましたが、私は今でも同居人を深く恋うているようです。
 元来冷たい性格の私を変化せしめるほどの影響力を秘めていたのですね。

 私はリフォームで真新しくなったリビングで、ぼんやりとそんなことを考えて過ごさざるを得ませんでした。