私は現在、教育研究機関の、研究協力担当という部署に所属しています。
研究者と頻繁に接触する部署です。
大方の研究者はまともというか紳士的というか、普通の人々ですが、まともな社会人としての常識をわきまえない、研究バカとしか言いようがない人々が、わずかながら存在します。
おのれの研究だけが大切で、組織のことなどどうでもよいという態度をあからさまにとります。
小保方ショック以来、研究倫理教育ということが声高に叫ばれているところですが、僅かな研究バカには苦労させられます。
いわば私は猛獣使い。
研究バカと言う名の猛獣をうまくあつかってナンボの商売です。
脅したり宥めたりすかしたり、様々な方法で猛獣を制御するというわけ。
最初のうちはそれが憂鬱でしたが、近頃では、猛獣の扱いが上達したようで、うまくこちらの思いどおりに動かせると、なかなかの快感です。
私たち事務職員は上意下達の行政組織になっていますが、研究者は、教授・准教授・助教の別があったり、研究部長という管理職がいたりしますが、対等な研究者同士という意識が強いようです。
事務組織に敵意をむき出しにする者もいれば、やたらと甘えてくる者もいます。
どんな相手であれ、誠実に、かつ戦略的に接することが求められます。
そんなことを、24年近く続けてしまいました。
定年までまだ14年半もあります。
面倒なことではありますが、猛獣使いの腕を磨いて、日々を乗り切っていきたいと思っています。