生命式

文学


 久しぶりに小説を読みました。
 村田沙耶香の短編集「生命式」です。
 この人の小説を読むのは、「コンビニ人間」、「消滅世界」、「地球星人」に続いて4冊目です。
 独特の世界観を持つ作家ですが、好悪が分かれるでしょうね。

 谷崎潤一郎の「異端者の悲しみ」、芥川龍之介の「或る阿呆の一生」、太宰治の「人間失格」などは、自分を世間の常識から外れた少数者と認めることから始まっています。
 しかしこの作家は、前述のような小説もありますが、そうでは無いものの方が多いように感じます。 
 多くは正常あるいは多数者こそが異常であり、自分は誰にも理解されないながら、唯一無二の正しい存在と自覚し、世の中と対峙していくというスタンスの作品が多いように思われます。
 それが少々鼻に着きます。
 内容が極端で、SFに近い味わいもあります。
 私は正直に言ってあまり好きではありません。
 しかし、時折読みたくなります。
 毒気に当たりたくなることもあるものです。
 久しぶりの村田節、気持ち悪いけど、癖になる味ではあります。