今日も通勤訓練のため、職場近くまで行きました。
私の職場は結構田舎です。巨大な公園のような敷地に、広大な建物が建っています。お国が作ると、どうして図体ばかり大きくて無粋なものになるのでしょうね。
職場の敷地を歩いていると、
分け入っても 分け入っても 青い山
という種田山頭火の句を思い出しました。(少し大げさですが)
狸がでたこともあるようなところです。
山頭火はもともとたいそうな地主の総領息子だったのが、俳句にうつつを抜かして種田家は破産して一家離散。山頭火は乞食のようななりをして全国を放浪する身に落ちぶれました。
種田家の地元では俳句なんてバカなものに、とずいぶん酷評されたようですが、今では自由律俳句の巨人として国語の教科書に載るほどになりました。
死して後に名声を勝ち得たとしてもむなしい限りですが、映画「アマデウス」に登場するサリエリとモーツァルトの関係や生前名を成すことがなかった多くの芸術家を思うとき、芸術が半永久的な価値を持つものだとすれば、死後の評価も良しとしなければならない、と思うのです。
![]() | 山頭火句集 (ちくま文庫) 種田 山頭火 筑摩書房 このアイテムの詳細を見る |