異性装

思想・学問

 最近、男性用ブラジャーというのが発売され、けっこう売れているらしいですね。

 女装や男装など、実際の性と異なる衣装を身につけることは、古くからおこなわれてきました。
 白拍子が男装をして踊ったり、古代ギリシアでヘラクレスに仕える神官(男)は女装していました。
 農家の田植え祭りなどで13から15歳の少年に女装させることは広く日本各地で見られます。

 また、舞台芸術の分野では、歌舞伎や能で男が女装して女を演じます。
 宝塚はその逆ですね。
 映画「1999年の夏休み」では、登場人物の少年すべてを少女が演じ、カルト的な人気を誇っています。

 このような、異性装への嗜好は、どこからきているのでしょうね。

 文学の世界では「とりかへばや物語」というのが最も直接的ですね。男らしい女児と女っぽい男児の二人を取り替えて育てる話です。
 また、男の作家が女目線で小説を書いたり、女流作家が男を主人公として書いたり、ということはよく行われます。

 一種の変身願望と見るべきか、あるいは性を超えた神秘的な存在へのあこがれなのか、よくわかりません。
 私も幼少の頃、母親の口紅を塗って遊んだりしたことがあります。女の子の格好をしたいと思ったことはありませんが、宝塚や歌舞伎、能などの、異性装による芸術には心惹かれるものがあります。
 
 私には、性という、生まれついての宿業のようなものを取っ払って、男だの女だの面倒なことは抜きにして、性を持たない、一個の人間になりたい、という暗い欲求があるのかもしれません。

1999年の夏休み [DVD]
宮島依里,大寶智子,中野みゆき,水原里絵
SME・ビジュアルワークス


とりかえばや物語 (ちくま文庫)
中村 真一郎
筑摩書房

 

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