ここ十年ばかりの間に、精神科の病気は病名がずいぶん変更になりました。
精神分裂病⇒統合失調症
躁鬱病 ⇒気分障害又は双極性障害
うつ病 ⇒気分障害や適応障害など。うつ病という病名も使われる。
そのなかで、最も患者数が多く、比較的偏見が少ないのがうつ病でしょうね。
皇太子妃殿下も適応障害に苦しんでずいぶん長くなります。
うつ病に関しては、テレビや雑誌でもよく取り上げられますし、書籍もたくさん出ています。
企業の研修なんかでも、メンタルヘルスの重要性を説くとき、第一番に取り上げられるのがこの病気です。
それでも、私はこの病気に苦しんでいた頃、怠け病とか仮病じゃないか、といった偏見に何度もあいました。
統合失調症は患者及び家族が、精神分裂病という名前は実態に合わないし、偏見を助長する、と改名を要望したものだそうですね。
統合失調症に対する偏見は強く、精神病院に閉じ込められている人格崩壊者のイメージがいまだに残っているようです。
私が参加している精神病患者の自助グループで知り合った統合失調症患者は、まるっきり普通でした。フルタイムで会社に勤めている人もいましたし、自らNPOを立ち上げようと奮闘している人もいました。
今は治療薬や治療法も進んでいるようです。
精神病というと、現在でもどこか暗いイメージがありますね。
しかし薬が効くということは、この世に存在する化学物質が脳に反応しているわけですから、内臓の病気や血液の病気と同じ、肉体の病気に他なりません。
それなら神経内科の範疇に入れてもおかしくないような。
あるいは脳内科、という診療科を新たに作ったらどうでしょうか?
精神科、という看板を見ただけで、診察を受けることを拒否する方もいらっしゃるようですし、精神なんていう極めて哲学的な言い回しは、実学たるべき医学には合わないように思います。