昨夜は東野圭吾のベストセラー小説を映画化した「百夜行」を観ました。
ある廃屋で背中を刺されて死んでいるのが発見された質屋の店主。
店主と愛人関係にあったと思われる女が自殺の疑いが濃い事故で死ぬと、この女を犯人として事件の捜査は終ります。
しかし、何か腑に落ちない刑事。
この刑事を、船越英一郎が抑えた芝居で演じて見事です。
名優だったのですね。
そして、お金持ちの家の養女となった犯人の娘と、中学在学中に家出した被害者の息子。
この二人には、不思議な接点がありました。
その絆を生きがいにする被害者の息子と、貧乏暮らしに戻ることを怖れるあまり、冷酷なまでに上昇志向を強め、着実に出世していく犯人の娘。
20年にも及ぶ物語りが、淡々とつづられます。
刑事が定年退職して後、初めて、ある有力な証言を得、事件の意外な真相を知ることになります。
そこには、少年少女時代に築いた被害者の息子と加害者の娘の絆が、深く影響していたのです。
あまりに長い物語りを、よく二時間半にまとめたものだと思います。
堀北真希の冷たい演技よりも、船越英一郎の滋味深い演技が心に残ります。
当代一流のストーリーテラーの手になる上質なサスペンスです。
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