的屋稼業

映画

 コロナによる巣ごもり生活も3年目を迎えました。
 好きな散歩もせず、家で食っちゃ寝生活。
 これでは太ってしまいます。

 暇を持て余して、気楽に観られる映画が観たいと、DVDを借りました。
 借りたのは、「男はつらいよ フーテンの寅」です。

 寅さんシリーズ、全作観ていますが、時折無性に観たくなります。
 本当は第1作目を観たかったのですが、あいにく貸出中。
 で、なるべく初期の物が観たいと、借りた次第です。

 的屋稼業の寅さんが旅先で恋をしてはふられる永遠のマンネリ映画。
 でもそのマンネリが良いのです。
 
 初期の頃の寅さんは元気で威勢が良くて、しかも初代おいちゃんも、寅さんの叔父さんらしく、寅さんに似たスットコドッコイで、良い味を出しています。

 終わりの頃の作品は満男が主人公みたいになっていて、いまいち楽しめません。

 純情で男気があってけんかっ早くて、それでいてお馬鹿な寅さんが活躍する悲喜劇が面白くないはずがありません。
 ただ、私がいつも思うのは、山田洋次監督は残酷だなぁということ。
 寅さんの恋は成就することがなく、傷心のまま全国を旅して的屋稼業を続けるのです。

 寅さんを観ると、旅から旅の生活にあこがれを抱きます。
 もちろん苦労は多かろうと思いますが、毎日事務室でパソコンとにらめっこする仕事がほとほと嫌になりました。

 私は職場も住まいもしっかりしていますから、それだからこそ、ヤクザな的屋にあこがれるのでしょうね。

  もっとも、身近にはいてほしくない人物ではあります。