眠れる美女

映画

 「眠れる美女」といえば、川端康成の名作を思い浮かべますが、昨夜は眠り続ける美少女であり殺人鬼でもあるローラと二人の男との愛憎を描いたロマンチック・ホラー「ブラッディ・ローラ」を鑑賞しました。

 一日の大半を眠って過ごす奇病に侵された美少女、ローラ。
 薬物中毒の治療で入院中の友人を見舞った美大生は、偶然、ローラの部屋へ。
 すやすやと眠る美しいローラに、すっかり心奪われてしまいます。
 同じ病院の閉鎖病棟で鎖につながれている催眠術師にして大量殺人を犯した男の部屋を覗くと、催眠術師は美大生を罵ります。
「彼女はおれのものだ、お前には渡さない」、と。
 睡眠を研究する研究センターに彼女が移送されることになったと知るや、美大生は彼女をモルモットにしてはなるものかと、研究センターの医師を騙って彼女を誘拐してしまいます。
 わずかな覚醒の時間、二人は子どものようにじゃれあうのです。
 しかしほどなくして、覚醒している彼女には、二つの顔があることがわかります。
 ほとんど眠って成長したため、子どものままの無邪気な顔と、催眠術師の術にはまって人を見れば刺し殺す殺人鬼の顔。
 そこに催眠術師が脱走し、美大生、ローラ、催眠術師が、夢のなかで、また現実で、くるくる変わる場面展開の中、悪夢のような闘争を繰り広げます。
 ロマンチック・ホラーらしく、おとぎ話風の結末が泣かせます。

 B級ホラーながら、映像も美しく、テンポもよく、飽きさせません。
 なかなかの佳作と見ました。

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眠れる美女 (新潮文庫)
川端 康成
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