短夜

文学

 ただでさえ短い夏の夜。

 私はまたしても午前3時に起きるという早朝覚醒を起こしてしまいました。

 私の夜はどれだけ短いのでしょうね。

 夜は疲れてしまって何もする気が起きず、風呂も最近はもっぱら朝入っています。

 さっき、飯を仕掛けて風呂に入りました。
 飯はそろそろ炊ける頃。
 良い香りがキッチンに漂っています。

 風呂上りの火照った体を冷房で冷やしつつ、亡き父の書斎から頂戴してきた「俳諧古選新選」などを紐解いています。

 短夜や まだ濡れ色の 洗い髪 

 江戸時代の俳人、三宅嘯山の俳句です。

 なんとも色っぽい句ですねぇ。

 私は精神を病んでから、色っぽいことや艶っぽいことが起きることはなくなり、その道についてはすっかり無縁になってしまいました。

 あるいは老化でしょうか。

 今はただ、古人の和漢雅俗に親しんで、無聊をかこつばかりです。