午後は職場の研修の一環として受講している放送大学の今日のメンタルヘルスの単位認定試験のため、幕張の放送大学へ行き、直帰しました。
試験自体は簡単で、試験時間は50分なのですが、30分経過すると退出してよいということで、早々に退散しました。
平成12年度から14年度までの三年間、私は放送大学に勤務していました。
文部科学省所管の機関のなかで、放送大学は激務として怖れられ、全国から放送大学に集められた職員たちは、人さらいにあったと言っていました。
放送大学では単位認定試験と通信指導と呼ばれる中間レポートの事務を担当していました。
教員に問題作成を依頼し、印刷のうえ30万人もの履修者に通信指導を送付して返送されたら科目ごとに仕分けし、マークシートの科目なら機械で採点し、記述の科目なら教員にダンボールで送付し、採点してもらいます。
通信指導に合格した者には単位認定試験の受験票を送付し、全国に点在する放送大学学習センターで試験を実施し、学習センターから答案を回収して採点、という流れになります。
これを約60人の主婦や学生を臨時雇用し、職員は私一人だけが作業場にはりつき、指示を飛ばすのです。
苦しんだのは、マークシートの誤記入。
学生番号や科目番号が間違っているとエラーがでるため、これを一つ一つ潰していきます。
100枚のうち10くらいエラーがでるので、30万で3万のエラー。
クリーン日と呼ばれる採点最終日はエラーを完全に無くさなければならず、エラー潰しで大抵徹夜でしたね。
スケジュールがあまりにタイトなため、他の部署とスケジュール調整をするのがまた大変。
わずか半日をめぐって、攻防を繰り広げるのです。
これが夏と冬、2回あります。
通信指導と単位認定試験を合わせて4回。
年4回、財務担当で言う年度末決算みたいな山場が存在するというのはハードなものでした。
土日のサービス出勤も多く、健康ランドで風呂に入っているところを呼び出されたり、土曜日の夕方一杯やっているところを呼び出されてタクシーで駆けつけたり。
でも考えてみると、呼びつける職員もサービス出勤しているというわけで、問題が発生したと知っていながらこれを放置することは人情としてできません。
その上学生は年配者が多く、我がままなクレームが多くてこれにも苦しめられました。
今日はその嫌な思い出が詰まった場所に行ったわけですが、その時幸いだったのは人間関係が良好だったため、今となっては懐かしい思い出です。
当時を思えば、今は遊んで給料をもらっているようなものです。
お気楽な職場です。
今の職場で忙しいなどと寝言をぬかしている輩をみると、人さらいにあって鍛えなおしたほうがいいんじゃないかと思います。
不思議なことに、その時はメンタルをやられることはありませんでした。
その代わり、いつも怒っていましたね。
若かったんでしょうねぇ。
ただ、直属の上司はうつ病で倒れました。
その部署では私がその上司の次の立場であったため、まともに上司の穴埋めをしなければならず、いつも不機嫌でした。
他にも十二指腸潰瘍になる者、アパートも車もそのままに失踪してしまう者などが頻出する怖ろしい所でした。
山形大学から人さらいにあって失踪した人、十年以上たつのにまだ行方知れずです。
どこでどうしているのやら。
でもまだ昔の激務を懐かしんでいる場合じゃありませんね。
定年まで17年もあるし、その間にはもう一山二山あるでしょうから。
明日から気を引き締めて職務に精励したいと思います。
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石丸 昌彦 | |
放送大学教育振興会 |