文学

 枕草子に、「秋は夕暮れ。夕日のさして山のはいとちかうなりたるに、からすのねどころへ行くとて、みつよつ、ふたつみつなどとびいそぐさへあはれなり。まいて雁などのつらねたるが、いとちひさく見ゆるはいとをかし。日入りはてて、風の音むしのねなど、はたいふべきにあらず」
 と、あります。

 秋も十月なかばを迎えると、日の暮れるのがやけに早く感じますね。秋刀魚もそろそろ終わり。すべてが冬に向かって、突き進んでいるかのごとくです。
 そして冬がしつこいのに比べて、秋の短いこと。
 
 今日はなんだか、憂愁のようです。
 こんな秋の日は、燗酒がひときわ旨いというものです。

枕草子 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)
角川書店
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