空海と密教美術

美術

 今日は東京国立博物館に「空海と密教美術」展を観に行きました。
 東京国立博物館の特別展示はいつも混むので、9時半の開館に間に合うようにしたところ、混んではいましたが想像ほどではありませんでした。


 密教美術というと、法具ですねぇ。
 こんな感じです。
   ↓

 本来は仏の教えを広めるための有難い道具ですが、伝奇小説の読みすぎか、妖しい戦いを連想して、私は国宝の輝く金色を前に、しばしうっとりと空想の世界に遊んだのです。


 私は美術館にはよく行きますが、博物館にはあまり行きません。
 美術鑑賞は純粋に娯楽なのですが、博物館は勉強を強いられているようで、面白くないのです。
 今日観た展覧会も、正直言って9割方は面白くありませんでした。

 そんな中、密教法具のほかに、醍醐寺如意輪観音菩薩坐像に圧倒されました。

 なまめかしく、美しく、柔らかな体の線と、瞑想しているのであろう観音のもの思わしげな表情、そしてグロテスクに生える六本の腕。
 混んでいたので長時間観ていられませんでしたが、半日くらいぼけっーと観ていたいような、素晴らしい美術品でした。

枕草子」に、如意輪の人を渡しわづらひてつらづえをつきてなげき給へる、いとあはれにかたじけなし、とある様に、如意輪観音は普通六臂を持ち、右第一手で頬杖を突いて沈思瞑想する姿に造らています。
 右足の膝を立て、左足裏の上に右足を重ねる、いわゆる輪王坐という座り方で、豊満な身体に現われた、柔軟な身のこなし方に如何にも、インドに源流を持つ密教像の感じが漂っています。
 天、人、阿修羅、餓鬼、畜生、地獄の六道を、生まれ変わり死に変わりして、その外に出る事が出来ない、いわゆる仏教でいう輪廻転生の衆生を救うため、この観音は六臂を持っているのだとか。

 写真撮影禁止であったことが残念です。 

カラー版 空海と密教美術 (カラー新書y)
武内 孝善,川辺 秀美
洋泉社
枕草子 (岩波文庫)
清少納言,池田 亀鑑
岩波書店

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