節分

思想・学問

 今日は節分ですね。

 季節の変わり目には邪気が発するため、これを祓うために邪気を鬼に見立て、追い払おうというものです。

 私も子どもの頃には実家で豆まきをしました。
 「鬼は外、福は内」と。

 しかし埼玉の鬼鎮神社では「福は内、鬼は内」と掛け声をかけるそうです。
 鬼を祀っているのであれば当然でしょうねぇ。
 浅草寺には鬼はいないということになっていますので、「福は内」のみだそうです。

 所変われば、ですねぇ。

 私は高校生の頃、鬼は大和朝廷から見た異界の民族だという説を知り、さらにわが国における鬼の起源は嫉妬に狂う女や、子どもを守ろうとして異常な状態になった母親だという説を知るにいたり、鬼に同情的になり、単純に「鬼は外」と言うことが苦痛になってしまい、実家での豆まきに参加しなくなりました。

 能や歌舞伎の演目「土蜘蛛」は、怖ろしい妖怪、土蜘蛛を源頼光が退治する痛快譚ですが、古く、土蜘蛛は蝦夷に住んで大和朝廷に反逆した人々の異称でもあると知り、わが国の古代に行われたであろう過酷な虐殺を含む国家統一に思いをいたしました。

 我が家には、傷つき、心を痛めたであろう鬼たち、不本意ながら鬼になってしまった人々をやさしく受け入れたいと思っています。

 豆をぶつけるのではなく、豆料理で接待したいものです。

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日本の鬼  日本文化探求の視角 (講談社学術文庫)
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