米の汁

文学

 生活を米とすれば、芸術は米の汁ー酒である。  

 漂白の自由律俳人、種田山頭火の言葉です。
 酒飲みであった彼の、一種の言い訳にも聞こえます。

 先日血液検査を行い、昨夜その結果が出ました。
 半年で17キロも体重が落ちたせいか、中性脂肪・コレステロール・血糖・肝臓など、すべて正常値になっていました。
 正常値を超えると赤く表示される数字が、半年前は赤だらけだったのが、今回は真っ黒。
 驚きました。

 生来の酒好きから、肝臓の数値だけは悪化していることを予想していただけに、うれしい誤算です。
 肝臓についていた脂肪が落ちたからではないか、と医者は言っていました。
 禁酒も節酒もしていなかったのに不思議です。

 私は2年半前に職場復帰を果たしてから、基本的に職場の宴会に出席していません。
 べつに酒乱というわけではないですが、宴席が乱れることはよくあることで、それが精神に悪影響を及ぼすから宴席は控えたほうが良い、と精神科医に言われているのです。

 で、仕事が終ると、こんがらがった頭を癒すため、1人安い焼酎を呷る事になります。
 概ね水割り2杯。
 それでも仕事で疲れた体には十分な酔い心地です。

 悠然として山を観る、悠然として酒を味わう、悠然として生死明らめるのである。

 こちらも山頭火の言葉。

 私の住まいから山は見えず、窓から見えるのは飲食店のネオンですが、それを悠然と観て、悠然と焼酎を飲むのです。

 私にとって酒は仏のごときもの。
 限りない慈悲を注いでくれます。
 
 南無酒如来、南無酒如来。

山頭火のぐうたら日記
村上 護
春陽堂書店

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