精霊(しょうろう)

文学

 今日は精霊の日なんだそうですね。

 なんじゃそりゃ、と思ったら、柿本人麻呂和泉式部小野小町の忌日が今日だから、なんだそうです。

 ますますなんじゃそりゃ、という感じですねぇ。


 ちなみにしょうろうのひと読むそうで、要するに死者を悼む日ということでしょうか?

 3人とも著名な歌人というのが面白いですね。

 柿本人麻呂という人は歌聖とも言うべき人で、私は敬して遠ざけるよりほかありませんが、和泉式部と言う人の歌は面白いと思います。

 のどかなる 折こそなけれ 花を思ふ 心のうちに 風は吹かねど

 あぢきなく 春は命の 惜しきかな 花ぞこの世の ほだしなりける

 とりあえず春の歌を2首。

和泉式部日記 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)
川村 裕子
角川学芸出版

 小野小町のような暑苦しさは感じられず、春の切ない心情を詠いながら、どこかドライな印象を受けますね。

 小野小町は絶世の美女と伝えられますが、和泉式部は容貌に関しては冴えないおばちゃんというイメージがあります。

 また、「源氏物語」の作者、紫式部と大層仲が悪かったとも伝えられます。
 才気走ってどこかドライな感じがする和泉式部を、ロマンティストの紫式部が嫌ったんでしょうかねぇ。

 もし今日が精霊(しょうろう)を悼む日なら、私はまずもって亡父の鎮魂に心を砕かなければなりますまい。

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