新聞を開いても、ニュース番組を見ても、良い話がありませんね。
日本は先進国の一つとして世界を相手にトップランナーで在り続けることを諦めたかのようです。
中国の台頭とか韓国の勢いとかアメリカの衰退とか、外的要因もありますが、結局のところ、日本人は国家目標を失ってしまった、ということではないでしょうか。
明治期には富国強兵を合言葉に、軍事大国になって欧米のように植民地を持ち、一等国になろうと努力しました。
富国強兵教という宗教に酔っていたのでしょうか。
それはある程度成功し、成功の帰結として英米と利害が対立した結果、激しい戦となり、日本は一度滅びました。
滅んだ後、世界では植民地が次々と独立。
勝ったはずの米英仏等も植民地を失いました。
アジアの独立という、日本が戦争に勝つために考え出した空手形は、結果的に空手形ではなく、履行されてしまいました。
皮肉なものです。
植民地を持たずに繁栄するため、今度は復興を合言葉に、経済成長に猛進しました。
そしてそれは大成功をおさめ、ついにはバブルという狂乱の時代を迎え、日本は世界中の土地や美術品などを買いあさりました。
経済発展教とでもいうべき宗教に酔っていたようです。
そして、バブル崩壊。
あれから二十年。
日本人は新たな宗教を持てないでいます。
では何を新しい国家目標にすればよいのか。
安倍元総理は「美しい国」と言いました。意味がわかりませんでした。
鳩山前総理は「友愛社会」と言いました。意味がわかりませんでした。
小沢議員はかつて、「普通の国」と言いました。小型アメリカでしょうか。
小泉元総理は「聖域なき構造改革」と言いました。意味はよくわかりましたが、生まれたのは格差社会でした。
今、日本はこれからの新しい社会モデルを模索しています。
生活が第一と当たり前のことを言っている民主党政権に、戦略は見えません。
自民党にも見えません。
民主党も自民党も、ただなんとなく日々の仕事をこなしているだけのサラリーマンのように見えます。
菅総理、嘘でもいいからこういう国を目指すんだ、という哲学とビジョンを示していただけないでしょうか。