10月3日というと思いだされるのが、東西ドイツが正式に統一したことでしょうねぇ。
時に1990年。
私は大学3年生でした。
その前の年の11月9日にベルリンの壁が破壊され、それまでであれば西ドイツへ逃れようとする東ドイツ市民は警官に射殺されていたところ、あまりの東ベルリン市民の勢いに警官もびびっちゃったんでしょうねぇ。
米ソ冷戦は半永久的に続き、ドイツが統一することなど無いと思っていたので、本当に驚きました。
本音では強大なドイツが生まれることを怖れていたパパ・ブッシュもサッチャーも苦虫を噛み潰したような顔で、「ベルリンの壁崩壊を歓迎する」なんて言っていて、表情からは全然そんなこと思っていないんだろうなと感じましたねぇ。
よく統一と言いますが、正確には、西ドイツの基本法に則り、東ドイツを西ドイツに編入した形を取っており、厳密には西ドイツによる東ドイツの併合と言うべきでしょうねぇ。
当時、東ドイツは社会主義国家の優等生と言われ、社会主義国家の中では経済状況は良好とされていました。
それでも、統一時、東西では3倍の格差があり、これが統一後、長くドイツを苦しめることになります。
旧東ドイツ国民は、西ドイツに併合されればバラ色の未来が待っていると思い込んでいたところ、東西の経済格差はなかなか縮まらず、旧東ドイツでは生活の不満から、ネオ・ナチなどの過激な若者が急増しました。
その後少しづつ格差は解消され、ついには東ドイツで育ったメルケル首相が誕生しましたね。
しかし、2007年時点の世論調査でも、ドイツ国民の20%もの人々が、東西分断ドイツ時代のほうが良かった、と回答しており、圧倒的に東に多いそうです。
分断国家の悲劇は、分断が終わり、統一を果たした後も長く続くようです。
してみると南北朝鮮が統一することが良いことなのかどうか、私には何とも言えません。