妙なこともあるものですねぇ。
今日、いつもどおり定時で仕事を終え、一杯やっていたら、過去縁があった女性たちが次から次へと現れて、私に恨み言を言ったり、逆に感謝の言葉を述べたりします。
最近同居人は仕事が忙しいとかで帰りが遅く、私は独り酒を飲んで眠りにつくのを通例としています。
それは勝手気ままにできてうれしいのですが、過去の女性が現れるのには閉口します。
それはもちろん幻視なのですが、かなりリアルに感じられます。
私は若い頃、若さゆえの悪行を働きましたが、現れるのは悪行を働いた女性ではなく、そこそこ真面目に縁を感じ、それなりのお付き合いをした女性ばかり。
これは一体どうしたことでしょうか。
私にもまだ好色な心が残っていて、それが半端に終わった女性たちをよみがえらせるのか、それとも長い不能の期間が私の精神を蝕んでいるのか、よく分かりません。
女性を美しい花に例える修辞には事欠きません。
しかしかつての私は、女性を花に例えることに違和感を覚えていました。
それはとりもなおさず、女性を主に性欲の対象として観ていたからだと思います。
でも今、私は女性を性欲の対象として観ることに困難を感じています。
それは私のオスとしての衰えなのだと思います。
そういう状況に陥って初めて、女性を花に例える心性が腹に落ちます。
もう一花咲かせたいという思いと、このまま枯れていきたいという思いが交錯しています。
でも多分、私はもう同居人以外の女性とうまくやるのは無理なのではないかと感じています。
生来のわがままと、悪人面は、どうしようもありません。
私はただ、心穏やかに過ごしたいと思いつつ、精神の奥深くで過去の女性の幻視が現れるほどの強い欲望を隠し持っているのだと思います。
人生一寸先は闇。
私がおのれの心と欲望にどう折り合いをつけるのかは分かりません。
しかし出来ることなら、深い縁で結ばれた同居人と、共白髪まで添い遂げたいと思っています。
無意識の闇が悪さをしなければ良いのですが。