昨夜はこの時期にふさわしく、「ナイトメア・オブ・サンタクロース」を鑑賞しました。
主に欧州の大陸国で今も崇敬される聖ニコラス。
数々の奇蹟を行い、貧しい人や苦しむ人を助けたカソリックのヒーローです。
一説にはサンタ・クロースの起源とする説もあり、12月5日の誕生日は降誕祭として今も広く祝われています。 聖ニコラスの扮装をして船でお祭会場に向かうところです。
ところがこの映画では、聖ニコラスは帆船に乗って賊を率い、上陸しては村々を襲い、殺人、暴行、略奪を繰り返す大悪人として描かれています。
中世の12月5日、彼は襲った村の生き残りの村人たちに奇襲され、帆船に火を放たれ、船上で焼死してしまいます。
それ以来、彼が亡くなったオランダの首都アムステルダムに、32年に一度の満月の12月5日、聖ニコラスが帆船でやってきて、白馬に乗って賊どもとともに殺戮のかぎりを尽くすのです。
32年前家族を全員殺された少年は警官となって復讐を誓い、教会などに眠る古文書を研究して聖ニコラスの真の姿を知り、その日に備えます。
しかし同僚からは全く相手にされません。
時の政府は32年に一度訪れる悲劇の真実を知りながら、火事や事故に偽装して市民には一切事の真相を知られないようにしていたからです。
しかしこの映画、映像は暗く美しく、残虐シーンも満載なのに、ホラーの香りがしません。
どちらというとファンタジー、それもダーク・ファンタジーの色彩を色濃く帯びています。
それにしても聖ニコラス、爽快感が漂うほど残虐行為を平気でやってのけます。
ためらいや良心の呵責など微塵も感じさせず、ダーク・ヒーローに徹しています。
88分と短めで、安心して楽しめるエンターテイメントに仕上がっていますが、ホラーらしい恐怖を期待すると肩透かしを食います。
大人向けの辛辣な童話として見れば面白いでしょう。
それと、カソリック、特に舞台となったアムステルダムの信心深い善人に感想を聞いてみたいですねぇ。
日本で言えば親鸞や道元など、鎌倉仏教の宗祖が残虐行為を繰り返していた、みたいな話ですからねぇ。
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