昨夜は、あまりに不道徳で美しい、という触れ込みのホラーを鑑賞しました。
「肉」です。
高校を卒業したばかりと思われる姉と14歳の妹の美しい姉妹。
それに幼い弟と両親。
田舎町で平和に暮らす平凡な一家です。
しかしこの一家には、18世紀から続く怖ろしいしきたりがあったのです。
それはずばり、人肉食。
18世紀、獲物が取れずに困ったご先祖様が始めたようですが、食糧に不自由しなくなった今も、人をさらっては地下に監禁し、子羊と呼びます。
そして定められた日、一家の主婦が子羊を殺害して調理し、家族は正装してこれを食すのです。
ある時、母親が死亡してしまいます。
死因は、人肉食によって罹患するとされるクールー病。
この病気、パプア・ニューギニアのある部族で頻繁にみられるそうです。
最初は手や足が震えるようになり、やがて歩行困難になり、脳にも異常をきたすという怖ろしい病気です。
やはり共喰いはタブーであるようです。
母親の死に打ちひしがれる父親。
しかし彼は、人肉食を伝統どおり続けると宣言し、主婦たる役目を長女に命じます。
姉妹は激しい葛藤のなか、ついに殺害、調理を行ってしまうのです。
ラストは圧巻でしたねぇ。
人肉食を止めたい次女が食事中に父親の喉笛に噛みつき、それを見た長女も父親にかぶりついて直接生肉を喰らい、ついには父親は死亡してしまいますが、それでも姉妹は口を血で真っ赤に染ながら、夢中で父親の生肉を食い続けるのです。
ここに至って、姉妹は父親が亡くなっても人肉食を止められないであろうことが示唆されます。
カニバリズムをテーマにした映画は多く作られていますが、神に選ばれ、儀式としての人肉食を続ける家族とは、いかにもえげつない話です。
私は触れ込みのような美しさはこの映画に感じませんでした。
たしかに姉妹はそろって美少女だし、ラストの口を真っ赤に染め、目に狂気を帯びた姿は圧巻でしたが。
ちなみにこれ、18禁だそうです。
残酷な映画は見慣れていますが、その私にとっても、かなりきつい作品でした。
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